« 「読むナビ」さんの特集記事に協力させていただきました。 | メイン | ふたつの文庫本画廊展 »

「冬のHAPON BAZAAR」レポート

130414_00.jpg

2013年2月23日、新宿のシェアオフィス「HAPON」にて、3回目となるHAPON BAZAARを開催しました。今回も子どものためのアート情報誌tontonさんとの共催で、お互いの活動を通して縁のあった方々に出展していただきました。

イベント全体のレポートについては、専用サイトのほうでMOVIE & PHOTO レポートが上がっているので、こちらを御覧ください。
各店主から、イベントを終えてのお手紙も届いています→こちら

こちらorchestra pitでは、ブックピックオーケストラが当日行った新作ワークショップのようすをレポートします。

新作ワークショップのタイトルは「NO READ」。
内容をひとことで言ってしまうと、「知らない本の中身を読まずに、その本を紹介するオビをつくる」というものです。
かなり無茶苦茶なことをやっているようですが、無茶は百も承知。とはいえ、かなり前から構想していたこの企画、ただの無茶ではもちろんありません。

とても面白く読んだ本でも、じつは細部までは覚えていなかったり、記憶違いをしていたりするものです。
でも本当に好きな本の話なら、おおまかな雰囲気だけでも魅力が伝わりもします。
いっぽう、通読していない本でも、ある場面やフレーズが印象的で、その本にじゅうぶんな魅力を感じることもあります。積ん読になっている本ですら、いつか読もうとその本の背表紙を眺めながら内容を想像して、わくわくすることもあるでしょう。
そんなふうに、ある本に触発されたり、思いを寄せたりすることがすでに読書と言えるんじゃないか、むしろそういう読書のほうがふだんの暮らしのなかで多くされているのでは…そんな考えから、「本を読む」ことへのもっと自由なアプローチを提案してみたい、と今回の企画が生まれました。
ちょっと極端なかたちでは、ありますが……。

130414_01.jpg


まず、ワークショップ参加者のみなさんには、3人1組でグループに分かれて、用意された本のなかから、第一印象で紹介する本を決めていただきました。
本の外側は見えますが、本文はカバーがかかっていて開くことができません。書名や著者名、装幀の情報だけを頼りに、その本がどんな本なのかを想像していきます。

事前にワークショップの詳細は伏せていたため、初めはとまどった様子の方もいらっしゃいましたが、ワークショップシートに沿って進めていくにつれ、徐々にみなさん調子がでてきたようすでした。

ワークショップシートには、その本のジャンルを想像してみたり、書かれた時代背景や土地のこと、作家の人となりを思い描いたりしてみましょうといった指示が書かれています。
いつどこで、誰がどんなふうに書いたのか…ひとつずつイメージしていくことで、本の輪郭が浮かび上がってきます。
手にした本に実際に書かれていそうなことを推測するのではなく、こんな本だったら面白いな、という方向で考えていくのがポイントです。

130414_02.jpg

時間の制約もあるなかで、各グループとも個性的な紹介オビが出来あがりました。

完成後は紹介タイム。著者の経歴を綿密に設定したグループもあれば、映画化して配役まで決めたグループもあるなど、それぞれのアプローチが光ります。
不思議なもので、そうして紹介を聞いているうちに、だんだんその本が紹介された内容だとしか思えなくなってきます。

130414_03.jpg


発表が終わったあとは、本文にかけられたカバーを外して、中身とオビを見比べてみました。オビに書かれた内容のほうが魅力的に感じてしまったり…。
中身を確かめたあとにあらためてオビを本から外して置いてみると、そこに実体はないけれどもう一冊の本が立ち上がっているような気がしました。

最後までやり遂げてくださった参加者のみなさん、ありがとうございました!

130414_04.jpg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.bookpickorchestra.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/420