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2012年04月 アーカイブ

2012年04月08日

「図書館を愉しむ選書」川口メディアセブンにて開催しました。

3/24(土)埼玉県川口駅前にある「メディアセブン」で、book pick orchestraとしては
2回目となるワークショップ「図書館を愉しむ選書」を開催しました!

今回のワークショップ、まずはじめのポイントは「装幀の色」。
参加者にはまず好きな色を選んでもらい、青、緑、黄の3色のチームに分かれます。

チームごとにわかれたら、なぜその色を選んだのか考えながら、
その色の装幀の本を1冊選書します。
選書した本をしばらく読み、本の概要と本が持っているキーワードを探します。
キーワードは本が持っているものであれば何でもオーケーです。
今回も「映画」、「犯罪」などから「うた」、「ショートカット」など
さまざまなキーワードが出ました。

そうしたら次に、選書した本のキーワードを元に、
そのキーワードに関連した次の本を探します。
この本も自分のチームの色をした装幀の本から探します。

これを繰り返し、同じ色の装幀の3~5冊のキーワードでつなげられた本の流れを作ります。

ここまでが午前の部。
ここでしばらくお昼休憩。広い会議室でお弁当を食べ腹ごしらえ。


さて、午後の部。

午前の部でそれぞれにつなげた本の流れを、今度はチームごとに1列の流れにつなげます。
ただし、つなげる際には、1冊の本を追加してつなげます。

誰の本当誰の本をどのようにつなげるか。。。そしてどんな1冊でつなげるか。。。
1チーム4~5人なので組み合わせは何通りもあり、議論は盛り上がります。

ついに出来上がった、色ごとの本の流れ。
チームごとに選書した方に説明してもらいました。
色が揃った本が1列に並ぶ様は圧巻。本をつなぐキーワードも多種多様です。「その本からこの本!?」という驚きもありました。

図書館の入り口にディスプレイをしていると、ディスプレイしているそばから本を手に取る人もちらほら。一色に揃った棚はなかなかのインパクトでした。
選書する側にも見る・読む側にも面白いワークショップだったのではないでしょうか。
ディスプレイはこのような感じになりました。




「装幀の色」、「導き出されたキーワード」というフィルターをかけることで、
本が浮かび上がってくる本があります。
それらの本はいつもどおりに自分ひとりの興味・関心で探しても、
目に入らなかった本たちだったと思います。
チームで選書すれば、なおのこと。

メディアセブンでのワークショップは2回目でしたが、
改めて「人」と「本」の集う図書館の魅力を実感しました。
第3弾ワークショップも開催予定です。
その際はぜひみなさん川口市メディアセブンへお越しください!

2012年04月16日

文庫本画廊@往来堂書店のお知らせ

文庫本葉書職人1号のクヌギーです。

日曜日に、HAPON新宿で文庫本画廊の作業をしました。
4月20日からはじまる不忍ブックストリートの一箱ウィークに往来堂書店さんで展示販売をするので、その準備です。

額縁をつけて、ハトメでとめて、しおりひもを通せばできあがり!
できたてほやほやを見てください。

このなかで、私が個人的に気に入っているのはこれ。

かわいいです。一目見て中身がわかってしまっても(!)、すてき。
たくさんの人に見てほしいです。

古本もいいけど、画廊もね!

一箱古本市に出かけたら、往来堂書店にぜひお立ち寄りください。


■文庫本画廊@往来堂書店
日時:4月20日(金)-5月6日(日)10:00-23:00
場所:往来堂書店 東京都文京区千駄木2-47-11 TEL:03-5685-0807
http://www.ohraido.com/

■文庫本画廊について(ブックピックオーケストラのホームページ)
http://www.bookpickorchestra.com/works/bunkobongaro.php

2012年04月17日

「書き込み」を遊ぶ@不忍ブックストリート

ゴールデンウィークを含む、4月26日(木)― 5月6日(日)に、 不忍ブックストリート実行委員会企画として、ブックピックオーケストラが参加します。

「痕跡本のススメ」で話題の五っ葉文庫さんとともに、
「書き込み」を遊ぶ、と題してそれぞれの方向から、「書き込み」にまつわる展示をします!
ブックピックオーケストラでは、長らく沈黙していた「write on books」を大幅にバージョンアップして、展開します。(ロゴも新しい!本もすごい!当日お楽しみに!)

29日には古沢さんとの「書き込み」トークショーもありますので、ぜひふるってご参加ください!

期間中は、往来堂書店にて文庫本葉書も展示中ですので、ぜひ合わせてご覧になってください。

以下詳細です。


「書き込み」を遊ぶ 〜ブックピックオーケストラと五っ葉文庫〜

古本に残された「書き込み」、そこには古本だからこその面白さの可能性がぎゅっとつまっている——自由に書き込みが出来る本を展示することで世界に一つの本を作り出すブックピックオーケストラの「write on books」、古本に残された書き込みから前の持ち主を想像する五っ葉の「痕跡本」がコラボレーション。二つの異なる方向から「書き込み」の魅力を探ります。
また、book pick orchestra・川上と五っ葉文庫・古沢和宏さんのトークショーも開催。二人の熱い話を聞けば、あなたも書き込みのとりこに!そして古本のおもしろさがより広がることうけあいです。

日時:4月26日(木)− 5月6日(日)
   月−土11:30 - 23:00 日11:30 - 20:00

場所:COUZT CAFE 台東区谷中2-1-11  TEL:03-5815-4660
   http://couzt.com/


トーク『どっちがスゴい? 「書き込み」頂上決戦!!』
 — ベクトルが180度違う二人が「書き込み」の魅力を語ります —
 川上洋平(ブックピックオーケストラ)×古沢和宏(古書五っ葉文庫)

日時:4月29日(日)17:30開場/18:00開演

場所:COUZT CAFE 台東区谷中2-1-11  TEL:03-5815-4660
   http://couzt.com/

参加費:1,200円

予約:不忍ブックストリートへメールにてお申し込みください。
   ※メールアドレス yoyaku@yanesen.org
   ※件名「書き込みトーク」。お名前、人数、電話番号を明記して
    ください。


[不忍ブックストリート]について
http://sbs.yanesen.org/


[write on books]について
http://www.bookpickorchestra.com/works/writeonbooks.php

2012年04月30日

「書き込みを遊ぶ」展、開催中です!

こんにちは、連休をいかがお過ごしでしょうか。ブックピックオーケストラの鬼島です。

4月26日よりスタートしました、「書き込みを遊ぶ」展は、連休最後の5月6日まで開催しています。
連休の後半、いままでにないような本の遊び方をしてみたい方は、ぜひ足をお運びください。

今回は、そんな「書き込みを遊ぶ」展の様子と、4月29日に行われた、共同展示者の五っ葉文庫・古沢和宏さんとのトークショーのもようとをレポートします。

「書き込みを遊ぶ」展の詳細情報はこちら

「書き込み」を遊ぶの様子

ブックピックオーケストラは今回の展示に「write on books」という企画で参加しています。
「write on books」とは読んで字の如く、本に書き込みをしてしまおうということです。

ふつう、古本に書き込みがあるということはマイナスポイント。
たとえ良い本であっても、古書市場では値段がつきにくくなってしまいます。
しかし、ユニークな書き込みがしてある本は、むしろその一冊だけの面白みを帯びてきたりします。
(ちなみに先日ぼくが買った太宰治の『人間失格』には、最後の奥付のページに「人間道 ただ一切が過ぎて行く」と書き付けられていました・・)

そこで、むしろ書き込みを加えていくことで、世界に一冊だけの本を作ってしまおうと考えたのが「write on books」です。

企画内容の詳細な説明は、こちらのページに譲りまして、今回の記事では写真を中心に展示のようすをお伝えします!


入口の正面展示

会場のCOUZT CAFEさんの扉をあけてすぐ正面がwrite on books。

台に本が並んでます

10冊ほどの本を用意しています。脇のペン束と説明ボードを手にとってレッツトライ!

そして、今回特に注目していただきたいのが・・この表紙の【箔押し】!

表紙の【箔押し】

ブックピックオーケストラのメンバーでもある「空想製本屋」の本間さんによる「write on books」の文字。渋く輝きます。

ちなみに、出展してある本はすべて、いわゆるカバーを外してしまってあります。しかし、実はカバーに隠れている表紙そのもののデザインも実は素晴らしいものが多いのです。
(むしろ、書店でのアイキャッチや広告用のオビとの関係も考慮しなければいけないカバーよりも、デザイナーさんの個性が発揮しやすい、という場合もあったりします)

そんなポイントも楽しんでいただけると嬉しいです・・!

write on books の書き込み

すでに独創的な書き込み、謎を呼ぶ書き込みがいろいろと為されています。

もちろん、展示された本はすべて購入することができます。一点3150円(税込)です。
購入していただいた本は、展示終了後に発送いたします。
(どんな「一点物」に仕上がっているか、お楽しみに・・ということですね。)


五っ葉文庫さんは著書『痕跡本のすすめ』で展開したような書き込みのある本の「読み解き」を体験する展示を出展しています。

「読み解き」の展示


会場となるCOUZT CAFEさんは東京メトロ根津駅近くの、おしゃれなカフェです。めずらしいビールも飲めます。ぜひお立ち寄りください。


さて、ここからは4月29日の『どっちがスゴい? 「書き込み」頂上決戦!!』 — ベクトルが180度違う二人が「書き込み」の魅力を語ります — と題されたトークのもようをレポートします。

トーク全体の様子

左から司会を務めた南陀楼綾繁さん、五っ葉文庫の古沢さん、ブックピックオーケストラの川上。

トークはお互いの書き込み本に関する活動の紹介から始まり、二人の書き込みに対する捉え方の違いを探っていく展開になりました。
書き込みを読み解くことで、その向こうにいる本の前主の姿を思い描こうとする古沢さん、書き込みを加えてもらうことで読書の面白さを拡げていこうとする、また世界に一冊だけの本としてのユニークさを増してみようと試みるブックピックオーケストラ。

古沢さんは、ブックピックオーケストラが書き込みの少ないものを「未完成」の書き込み本と形容していることに対し、書き込み本はどんなものであれそれで完結している、ある種の「作品」だと捉えていると話し、書き込みを加えるという発想に驚いたと話します。

いっぽう、ブックピック代表・川上は、古沢さんのような人の存在を以前から知っていたら、書き込みの面白さを伝えようとして企画したwrite on booksは生まれなかったかもしれないと率直に語りました。

2人のトークの様子

「書き込みのある本は完成したものとみているから、ぼくにとってwrite on booksはある意味で邪道(笑)」という古沢さん(左)

さらに、そんなベクトルの違う二人がそれぞれに持ち寄った書き込み本も披露。
英語の絵本の全ページに日本語訳が貼り付けてある本、微妙にタッチの違う絵が複数書き込まれ出来上がりの過程が気になる本、今と書体が違う荒川洋治のサイン本・・・
ひとくちに書き込みといってもさまざま! バリエーション豊かな書き込みの世界が展開されました。


「書き込み」を見せます

白熱するトークの様子

前半では(あえて?)対立したところも見せた二人でしたが、しだいに分かり合っていったようす。通底するのは書き込みの面白さを共有したい、という思いだったように感じました。


書き込みだけでこんなに見るべきところがあったのか! という濃密なトークでした。
古沢さん、南陀楼さん、COUZT CAFEさん、トークを聴きに来ていただいたみなさま、ありがとうございました!