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2007年11月 アーカイブ

2007年11月01日

日本語なのに難しい。

先週末は益子に行って参りました。
1日目はどしゃ降りの雨、2日目は快晴という真逆の2日間を楽しく過ごしてきました。
写真もたくさん撮ってきたので、あらためて報告します。(撮りすぎて整理つかず。。。)

さて、今日紹介するのは渋い佇まいで、渋い良書がたくさんある創元選書。
『ポオ詩集』という文字が目を魅きますね。シンプルなのに個性がありとても魅力的です。

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注目すべきは翻訳者、あまりに高踏的でありすぎて人間とは思えないほどに評価の高い日夏耿之介先生が訳されています。
もう日夏先生の文章が読めるだけでありがたや、と手を合わせてしまいそうになりながら、ページをめくれば、期待にそぐわぬ難解さ!俗物はよせつけません。
初めて見る熟語がじゃんじゃん出てきて辞書がなければまともに読めません。

翻訳としての善し悪しは別として、ここまで翻訳者の濃い色を感じるものはほかにあるでしょうか。しかも、読んでみて感じるのは古めかしさよりもむしろ新鮮さであって、今なおこの翻訳が出来る人がいるかどうかと考えると、またも自然と手が合わさりそうになってしまいます。閉じた本の表紙をあらためてみて、「エドガア・アラン・ポオ」よりも「日夏耿之介 譯」の文字の方がすこーし大きくなっているのにもうなづいてしまうのでした。

川上

2007年11月03日

「水木しげるの雨月物語」

原宿祭りのときに、まつおさんから借りた「水木しげるの雨月物語」を読みました。
二つ前の記事の写真で、いちばん上に乗っているタイトルのところがピンクの本です。

雨月物語。一部知っているような、他の話と混ざっているような・・・私はちゃんと読んだことがありません。水木さんのこの本には、「吉備津の釜」、「夢応の鯉魚」、「蛇性の淫」の3つが収録されています。
怨念、自然の神秘、妖怪と、それぞれ趣の異なる怪談話ですが、それに関わってしまうきっかけが、「美しさ」であるところが共通しています。美はどこかこの世のものでないものの要素を持っているということでしょうか。

この本は雨月物語を楽しむというより、水木さんによる見開きいっぱいに描かれた挿絵を辿るように物語の中を歩くような感じです。しっかりと描きこまれ全体的に「黒い」絵には、不思議と透明感があり、どれもみずみずしい印象です。次の挿絵が現れるのを心待ちに文字を追うひととき。

水木さんの絵にもこの世のものではないものの要素があって、私たちは惹かれてしまうのかもしれません。でも、この本はたしかにこの世のもの。そのことに、ちょっとほっとしてみたり。

クヌギ

2007年11月08日

渋谷、屋上のかくれ家で

ちょっとブログのアップが遅くなりましたが、
ミーティング自体は通常通り、週末に開かれました。
筆不精は鬼島です。


渋谷のクワランカカフェ、大都会のエアポケットのような、心地よい空気感のカフェです。

本日のメイン議題は、2008年1月スタートのイベント企画。
「本と遭遇する小部屋」の演出について知恵を絞る。知恵が出る。その場で即決定!
「ケースは革で」
「ペンとかも凝って・・」
「M堂と組みたいね」
「あらかじめ紙にキーワードを」
スピード感が大事です。

カードとステッカー、新しいのを作りましょうという話も。
印刷所、探さなきゃ。


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スターネット、評判は上々の模様。ブックピックらしい品揃えはベースに、益子という土地と人にもっとコミットしていくためには、どうするか?
パン ド ムシャムシャの焼きたてパンの香ばしさがなんとなく思い出される。(今度は甘いパンを焼きたてで食べたいな)

ブックピック流「目録」の話も進む。
そう、本を見る「視点」こそブックピックの一番の持ち味です。
早ければ年内に第一弾!?


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キッチュなんかもほおばりながら会議は回る、そして進む。
とはいえ、なかなかたくさんのことを同時にやるのは大変なこと、目が回らないようにしないといけませんね、というところで一段落。

お次はスープスパを堪能しに、秘密基地を出で、休日の喧騒のなかに向かいました。

2007年11月09日

再び昼の新宿、緊急ミーティング

「ここち書店」のためのミーティング
クヌギさんとふたり、新宿で待ち合わせです。
「新南口に三時!」と豪語し早めに到着したものの、
クヌギさんが来ません。
なぜ?
遅刻するようなひとではない。
あれーと思っていたらなんとここは東南口。
おそろしいことです。
電話だ!とおもい電話しようとしましたが
クヌギさんの電話番号がなぜかわからず。
教えてくださいとメールし、ひたすら謝りました。
ほんとにごめんなさい。
新南口は紀伊國屋と覚えよう。

「地理と漢字に弱いと
頭弱いひとだと印象をもたせてしまうので
漢字検定受けた方がいいですよ」と
先日バイト先のお客様に言われたばかり。
おっしゃる通りでございます。

新宿のオアシスへと直行。
ここへは迷いません。
ちゃんと動物の勘が働きます。

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席に着き、早速うしろの本棚にある本をクヌギさんに差し出す。
牛腸茂雄の写真集です。
好きな写真家です。

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いくつかお店に置いてある本をおすすめしつつ
ミーティング。
はじめてミーティングらしいミーティングをしたような。
さすがクヌギさんです。
自分の中でも、ブックピックのなかでも、
明確になっていったことが多かった。
明日のミーティングには行けないので
いくつか思いついた企画の伝言などを頼み、
ぼんやりおしゃべりして、心地よい時間でした。

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ひとまずわたしは目録が楽しみ!
きょうは眠いけど張り切っています。
楽しいことをしたいな。

松尾藍子

2007年11月15日

<O-tsumami-books 壱の膳>ボジョレー解禁日にはじめます

初物は好きですか?

本日はボジョレーヌーボー2007解禁日。

とはいえ、解禁しました!って声高々に言われても。。
はあ、ちょっとストリップ劇場ばりの興奮ぐわいっすね、
と血圧が下がっていくのが人情というものではないでしょうか。
でも気になるのも人情というもの。

というわけで本日は
あまりにも周りが狂ったようにボジョレーボジョレー言っているので
近くのスーパーに買い物がてらワインを見に行ったら
正月かクリスマスのごとき盛り上がりにちょっとびっくり。
で、いろいろ考えたあげく、この波に乗るのも酌だが
このワイン指数鵜の盛り上がりに便乗してはじめてポートワインを購入してみました。

ポートワインとは、ポルトガルはポルト発祥の甘いワインです。
飲んでみるとこってりと甘く、そして結構酔っぱらいます。

これを飲んでいるとタブッキの『レクイエム』が思い出されました。
この本の中の主人公はリスボンをさまよいつつ、たしかポートワインを食するのです。
歩いては、ものを食う、そして人に出会うお話。

この甘ったるくて少々酔っぱらうポートワインを飲みながら、
タブッキの夢みがちな文体につきあいたい。

いや、タブッキに限らず、
酒を飲みながら、おいしいものを食べながら、
本を紹介するきまぐれ連載っていんじゃないかと思い、唐突ですが、はじめようと思います。
名付けてO-tsumami-books。

酒と食と本のマリアージュを探っていこうと思います。
酒飲んでほろ酔いになったとき、
きまぐれ更新させていただきますが、これからもどうぞよろしくお願いします。

きょうのおつまみ
タブッキとポートワイン

レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
アントニオ タブッキ Antonio Tabucchi 鈴木 昭裕
白水社 (1999/07)
売り上げランキング: 206482


 サンデマン ルビーポート 750ml


どちらも甘くてうっとり。というところがよい組み合わせです。

O-tsumami-booksのラインナップはこちらをどうぞ
(今後も増やしていきます。)

ボンヌ

2007年11月18日

「埋めこんでるチャンネルすべてマンガ」

おはようございます。

さいきんブックピック内でまんがが流行りつつあるようです。
しめしめ。
もっと侵蝕していきたいな。
たのしみ。

きょうのミーティングに持って行くまんがです。
貸してほしいのですって。
うれしい限り。

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松尾藍子

下北沢、みんな遅刻ぎみ

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こんばんは
きょうは下北沢でミーティング。

『奈緒子』という駅伝の映画のお話からはじまりました。
きょうはお昼からマラソンがあったようで、
野口みずきさんとQちゃんの話になりました。
わたしは何を聞いていたのか心ここにあらずだったのか
いや、しっかり話には参加していたのですが
たかはしなおこがなんたらかんたら、と聞いて
「え、高橋直子?」と言ってしまいましたよ。

高橋直子さんは源一郎さん(憧れの作家)の昔の奥様で
いまは長崎県の五島にて谷口直子さんとして幸せな生活を送られているようです。
ブログもなかなか面白いのでたまに読んでおります。
はっとすることがよく書かれていて
どきっとします。

たかはしなおこさんは
直子さんではなく尚子さんでした。

ミーティングは主にみっつのお話。
一月から始まる企画と
ここち書店と
オンライン古書店。

一月から始まる企画の話で
とても心揺さぶるアイディアがでましたので
たいへんほくほく!
夢のような夢のような企画。
成功するといいな。
どうでしょうか。
さっそく調査にかかります。
思い出すだけでうっとりできる。
幸せだ。

きょうもみなさま
おつかれさまでした。

松尾藍子


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2007年11月19日

真昼の渋谷、人と人との出会い

きょうは私用でNHKまで行ってきました。
とても方向音痴なので早めに早めにとにかく早めに行かなくてはいけないのですが
慣れないことをたくさんしていたら遅刻しそうで
とにかく地図をつかみ「Hey!Taxi」

ぜいぜいしていたわたしに運転手さんが
「お客さん走っていますねー」
など昨日のマラソンのお話や甲子園のお話をしました。
「人生でも突っ走ってフライングぎみなのですよ」とわたし。
NHKまでのほんの何分かの間、
ブックピックの活動のおはなしやバイト先の古本屋のお話などをしました。
とても素敵な方で遅刻気味なわたしを応援してくださり
名刺交換などして、とても楽しい時間でした。

とても嬉しかったので「おつりはいいです」というのをやりたかったのですが
先手を打たれ「お代はいいです、頑張ってください」と言われました。
年の功でしょうか。
頑張ります!

Sさま、お体に気をつけて
幸せな毎日を送れますように東京の片隅より祈っております。

松尾藍子

2007年11月27日

コピーライターは大変な仕事。

今回のミーティングも、朝からこつこつと文庫本を選んだり、
ミーティングをしたり、盛りだくさんでした。
天気がいいと、何をやっても気分がいいですね。

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お昼はずっと気になっていたイタリアンへ。
休日ランチなので前菜もリッチにお皿に盛られ、
ちょっとしたマダム気分。(実際、横にはマダムたちも。。。)


いっぱいになったお腹を散歩でいなした後は、
現在準備中の目録のアイデア出し。

なかなかキャッチーでウィットのあるタイトルは難しいです。
人は苦労したときに過去の間違いに気づきます。
コピーライターのみなさん、「一言でお金もらえて楽な職業だなー」、なんて思ってごめんなさい。

今回のタイトルを少しだけ。

「四畳半文学」
なにかわびしい。トランプゲーム「大貧民」だと平民か貧民ですね。家には住んでいるので大貧民ではないはずです。

「裏口から入る」
なんかずるい感じですね。悪のイメージがありますが、大悪党ではなく、こそ泥とかスリといったところでしょうか。ほの暗く、後ろめたい感じがします。

両方とも微妙なニュアンスを目指した本が入りそうですね、次はもっと極端なものを考えてみることにします。

川上