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「水木しげるの雨月物語」

原宿祭りのときに、まつおさんから借りた「水木しげるの雨月物語」を読みました。
二つ前の記事の写真で、いちばん上に乗っているタイトルのところがピンクの本です。

雨月物語。一部知っているような、他の話と混ざっているような・・・私はちゃんと読んだことがありません。水木さんのこの本には、「吉備津の釜」、「夢応の鯉魚」、「蛇性の淫」の3つが収録されています。
怨念、自然の神秘、妖怪と、それぞれ趣の異なる怪談話ですが、それに関わってしまうきっかけが、「美しさ」であるところが共通しています。美はどこかこの世のものでないものの要素を持っているということでしょうか。

この本は雨月物語を楽しむというより、水木さんによる見開きいっぱいに描かれた挿絵を辿るように物語の中を歩くような感じです。しっかりと描きこまれ全体的に「黒い」絵には、不思議と透明感があり、どれもみずみずしい印象です。次の挿絵が現れるのを心待ちに文字を追うひととき。

水木さんの絵にもこの世のものではないものの要素があって、私たちは惹かれてしまうのかもしれません。でも、この本はたしかにこの世のもの。そのことに、ちょっとほっとしてみたり。

クヌギ

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コメント (2)

クヌギ:

そう、本はこの世のものなんだよね(じみじみ)。
なんだかそんな当たり前のことが不思議というか、ありがたいというか。

まつお:

水木さんのことを喋らせたら
ほんとに恐ろしい思いをするはずなので
触れないでおいてください。
でも話したい!
でもだめ!
やめられないとまらない、だよ
だって水木さんこの世のものではないような
でも本はこの世のもの。ですね。

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