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日本語なのに難しい。

先週末は益子に行って参りました。
1日目はどしゃ降りの雨、2日目は快晴という真逆の2日間を楽しく過ごしてきました。
写真もたくさん撮ってきたので、あらためて報告します。(撮りすぎて整理つかず。。。)

さて、今日紹介するのは渋い佇まいで、渋い良書がたくさんある創元選書。
『ポオ詩集』という文字が目を魅きますね。シンプルなのに個性がありとても魅力的です。

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注目すべきは翻訳者、あまりに高踏的でありすぎて人間とは思えないほどに評価の高い日夏耿之介先生が訳されています。
もう日夏先生の文章が読めるだけでありがたや、と手を合わせてしまいそうになりながら、ページをめくれば、期待にそぐわぬ難解さ!俗物はよせつけません。
初めて見る熟語がじゃんじゃん出てきて辞書がなければまともに読めません。

翻訳としての善し悪しは別として、ここまで翻訳者の濃い色を感じるものはほかにあるでしょうか。しかも、読んでみて感じるのは古めかしさよりもむしろ新鮮さであって、今なおこの翻訳が出来る人がいるかどうかと考えると、またも自然と手が合わさりそうになってしまいます。閉じた本の表紙をあらためてみて、「エドガア・アラン・ポオ」よりも「日夏耿之介 譯」の文字の方がすこーし大きくなっているのにもうなづいてしまうのでした。

川上

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