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巻末ひらいてもすごいんです。

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内田百間(門構えに月)の本を購入。川上澄生の味のある装釘もなかなかいいです。
そういえば、この本では「装釘 川上澄生」、と書いてあります。「装幀」でもなく、「装丁」でもなく、「装釘」。
それぞれに何らかの理由があるのだ、と本で読んだような気がするようなしないような気がしますが、ブックピックでは実際に書いてある表記に従うことにしています。そして個人的には「装幀」を好みます。
それは画数が多い文字へのわたくしの憧れから。私の名字は、川上澄生先生と同じで、なんと直線を6本書くだけで成立してしまう「川上」です。
これでは壁のらくがきを見つめているだけで、なんとなく「川上」に見えてきたぞ、なんて心霊写真めいたことにも遭遇しかねません。
シンプル・イズ・ベストと自分を慰めつつも、例えば「澁澤」先生ほどになると、数えるのも大変です。なんと31画!わたくしの約5倍の画数!
名前の時点でもう人間の出来が違うような気がしてしまいます。まあ、澁澤先生においては、実際に人間の出来が違いますが。

とっても横道にそれてしまいましたが、この本を開いてみてから驚いたのは巻末に「内田百間著作目録」が並んでいること。当時の値段と出版社も記して年代順にずらーと並んでます。

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早稲田大学の横、稲門堂書店に売れなくて積んであったという『冥途』は「二圓五十銭」。大正十一年と書いてあるから、だいたい今の4000円から5000円くらいでしょうか。これじゃあ貧乏学生が多い(偏見でなく、経験から)早稲田の学生が買えるはずない。と勝手な推測も楽しめます。
本書は初版で1970年2月に出たものですが、内田百間は約1年後に亡くなっているので初版はほぼ網羅されているはずです。
しかしさらに驚くのは、「著作目録」をめくっていくとその先に「装釘意匠者一覧」も載っていること。

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巻末だけで売っていても購入してしまいそうです。

川上

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