9月18日、西巣鴨にあるその名も「にしすがも創造舎」で「本と演劇にまつわるワークショップ」を行いました。今回はその前半の模様をレポートします。
にしすがも創造舎は廃校の校舎を活用し、さまざまなアート活動を行っています。
とりわけ演劇とは関わりが深く、教室や体育館をスタジオとして貸し出し、また演劇やダンスの資料室「舞台芸術アーカイブ」に多くの貴重な図書を所蔵しています。
そこで今回は舞台芸術アーカイブの資料を使い、演劇上演のための脚本形式で書かれた文学作品である「戯曲」に注目したワークショップを企画しました。
題して<Leading Reading Scenario>。
本と演劇を新しい感覚で体験してもらうべく、参加者に手渡されたのは特製の「台本」。
右の写真の通り、この台本にはセリフが一部しか書かれていません。
参加者は4~5人ごとにグループになり、この空白を埋める言葉を、用意された戯曲の本から探していきます。もちろん「正解」にあたる本は置かれていないので、想像力を駆使して新しい台本をつくっていくことになります。
そして最後に、グループごとに出来上がった台本を朗読します。
本を読む、というと当たり前のように黙読を指しますが、朗読することで黙読とは違った楽しみを発見できることもあります。とりわけ劇として上演されることを前提に書かれた戯曲であれば、朗読の面白みをより深く感じられるかも知れません。
さて、参加者の方々が集まりいよいよワークショップが始まります。
(左上:まずは本を取りにいきます 右上:お互いのアイディアに盛り上がる 左下:気になる言葉はふせんと鉛筆でメモ 右下:ベケットも興味津々?)
そして出来上がった台本を順に朗読していくのですが・・皆さんもの凄く上手い! そして独創的なテキスト。元の作品(安部公房「棒になった男」)の、孤独なボクサーのぼやきがあらぬ方向へと変化していってしまいました。
(左:ボクサーの苦悩と狂気を熱演 右:発表に聞き入る)
…と、ここで後半戦の前に小休憩。にしすがも創造舎の入り口にあるCamo Cafeでドリンクを。
窓の外には元・中学校の校庭が広がり、幹線道路沿いとは思えないゆったりとした雰囲気です。
さてさて、さらなるハイレベル、独創性が発揮された後半は、次回のレポートにてお伝えします。
(鬼)