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漱石を聴く、とぎれとぎれに

最近、念願のipodを手に入れたキジマです。
音楽以外にもポッドキャストを楽しんでいるのですが、
ここ数日のお気に入りは、夏目漱石の短編小説。
の朗読。
なんと無料で配信されているのです!

『夢十夜』『永日小品』から数篇ずつが選ばれていて、一話が約8~15分ぐらいと、ちょっとした時間に聴ける長さになっています。


さて、どこがおもしろいかというと、これは邪道な楽しみ方なのかも知れませんが、「とちゅうで話の筋が分からなくなること」です。
もちろん朗読が悪いのではありません。単に別のことを考えたりしているうちに聴き逃してしまうんですね。。しかし、それが逆に新鮮なのです!

ふつう、本を読んでいて筋を見失ったら、立ち止まって、前のページを読み返しますよね。ところが朗読のばあい、ほっておいたらどんどん先に進んでしまいます。
するとストーリーを見失ったまま小説を読みすすめている(実際は聴いているわけですが)という普段はありえない状況になってきます。これがおもしろい。
「あれ、ここどこだっけ」とキョロキョロしている頭のなかに、いきなり聴こえてきた一節がずばり突き刺さったりします。
今日の一撃:
「…眼を拭くハンケチの色が白く見えた。しかし体には、更紗のような洋服を着ていた。」
(『夢十夜』第七夜より)


決して、最後まで集中して聴けないことへの言いわけでは、ございません。
むしろ新しい読み方の発見だ、とポジティブにとらえたほうが、おもしろいじゃあありませんか?

きじま

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