2005/10/21

『ムツゴロウの絵本』 畑正憲

  

ムツゴロウこと畑正憲さん。最近はしばらくみないが、この本なんかを読むと、さすが一つの王国を築いただけはあると納得させられる。全部で4巻あるのだが、家にあるのは、1〜3巻。無理に4巻を手に入れようかとも思ったが、いきなり4冊まとめて買う人はいないだろうし、ムツゴロウさんの狂気ぶりは一冊でも十分伺える。文庫なら手に入りやすいし、気に入ったら他も買いそろえてもらいたい。

絵本というだけあって、白黒ながらなかなかインパクトのある写真の合間に文章が書かれていて、たまに入るムツゴロウさんのイラストがホッとさせる。手元の3冊の中では、特に2巻が気にいった。その名も<ヒグマの巻>。ムツゴロウさんがヒグマを子どもの時から育てていく。写真の多くはヒグマとムツゴロウさんの2ショットで、まだ小グマの頃は微笑ましくみていられるが、途中から心配になってくる。ちょっとムツゴロウさん、見出しで「大きくなったなあ」なんて感心してる場合じゃないよ。食べられてない?とついツッコミを入れたくなる写真も多い。数年前、ライオンか何かにムツゴロウさんが小指を奪われ、ちょっとニュースになったが、そのときまで指が揃っていたのが不思議だ。そして、ハラハラさせながらもラストは、ヒグマに乗ったムツゴロウさんの写真に「ヒグマに乗った 長年の夢を果たした…」と始まる詩がついていて、なかなかうまくおさめている。

1巻が1972年に出て、一年弱で2巻が出、そのあと1年半ほどで3巻が出ているのに、定価は950円、1000円、1600円とジャンプアップしているのも気になるところだが、全部700円でいいだろう。2巻は、背の下の部分に少しシミ跡があるが、2巻は目玉な上に、表紙はヒグマのアップなこともあり、あまり気にならないので、同じく700円にしよう。

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