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第9回:「めざめる」
長い冬も、もうすぐおわり。春へ向けての準備はできていますか?
窓の外の花たちも「めざめる」季節。コートを脱いで、春色の服を着たり、お花見もいいですね。でも、その前にもうちょっとだけ、ぬくぬく読書。

ファンタジア

『ファンタジア』
ブルーノ・ムナーリ(著)
菅野 有美(訳)
みすず書房

<きらめく新しい世界> 選:松尾店員
デザイナー・絵本作家であるブルーノ・ムナーリが、「創造力」と「想像力」についてユーモアをもって書き上げた一冊。オリガミ、植物の断面のスタンプなど、古今東西のさまざまな遊び、図版を使って、わたしたちに語りかけます。こんな見方があったのかと驚き、納得し、感激します。外へ出て、色鮮やかな世界に駆け出したくなること間違いなし!

ムーミン谷の冬

『ムーミン谷の冬』
トーベ・ヤンソン(作・絵)
山室 静香(訳)
講談社

<ひとり目覚めてしまった夜に> 選:小林店員
おなじみムーミンシリーズの一作。冬はいつも冬眠するムーミン一家ですが、 ある年、ムーミントロールは、冬眠中にひとり目が覚めてしまいます。 初めての季節、初めての雪。ムーミントロールは暗く寒いこの時期にしか見えないもの、 現れないひとたちと出会うことになります。 冬の国で生まれたムーミンの魅力がぎゅっとつまった、一押しの一冊です。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
吉田 篤弘
暮しの手帖社

<読むとスープ作りに目覚めます。> 選:功刀店員
サンドイッチの店で働くオオリ君の日々の暮らしを描いた物語です。オオリ君は店で出すスープ作りに没頭した末、「名なしのスープ」にたどり着きます。この本を読んだ私はスープ作りに目覚め、レシピどおりに作っては、その冬の間毎朝食べていました。まだぬくもり恋しいこの季節に、読んで、作って、食べて、心もからだも温まる一冊です。

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

『一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)』
シオドア・スタージョン(著)
小笠原 豊樹(訳)
早川書房

<あなたはまだ目覚めていないだけ> 選:川上店員
夢とは目覚めてみて初めて夢だと気づく。ならば、いま現実と感じている世界もいつか目覚める夢かもしれない。この有名なデカルトの疑いを、独創的な想像力をもって小説化したような短編集。「一角獣の泉」、「熊人形」など、恐ろしくも底抜けに面白い十篇を収録。読み進むうちに、固定観念は夢のようにぼやけ、新たな世界に目覚めてしまいます。

ここち 9号

ここち 9号 2月23日発行
にて掲載されました。

毎日新聞ホームページにて内容を閲覧できます。

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