一冊の本の偏見をとり、偏愛を加えて本を読む試み
本を紹介するときに目にするものに、「あらすじ」があります。
しかし、本の紹介にかならずしも「あらすじ」が必要でしょうか?
「この本のことが本当に好きなんだなぁ」と感心させられるようなとき、
案外あらすじは語られていないものです。
いかにしてその本に出会い、どんなときに読んだのか、本の内容が語られる場合も、
感動した細かい表現だったりします。
それならば、と考えられたのが「NO READ」です。
この企画は、「知らない本の中身を読まずに、その本を紹介するオビをつくる」というものです。
ふつうには手にすることのなかった、1冊の本に対して、
その偏見から逃れ、極端な偏愛を加えることで、本と出会っていただく一つの試みです。
NO READの楽しみ方
1.新たに浮かび上がる、幻想の中の一冊の本
「この本を紹介してください」と言われれば、
まずすべての人が、本を手に取り、本の内容を読もうとします
しかし、「NO READ」はその名の通り、本のページが包まれていて、内容を読むことができません。
その代わりに、本の中身を想像していくためのステップをお伝えします。
そのステップに沿って、本の質感、タイトルと著者名から、内容を頭に思い描き、最後にオビでその本を紹介をしていただきます。
「NO READ」は、クイズや推理ゲームではありません。
推理的要素はありますが、正解を導き出すのではなく、この本が「こんな内容だったら素敵」または「つい読みたくなってしまう」魅力的な内容を、みなさんに想像で思い描き、オビにして紹介してもらうことが目的です。
オビの紹介文は、実際の内容と全く違うかもしれません。いや、違っていて当たり前です。
オビのついたその本は、幻想の中に浮かび上がる新たな1冊の本なのです。
2.幻の本を追いかける、読書体験
NO READでオビをつけていただいた本は、最後にみなさんに持ち帰っていただきます。
もしかしたら、一生手にとることはなかったかもしれない1冊ですが、
持ち帰るときには、空想した幻の本としてもその本は存在します。
ぜひ幻の本の影を追うように本を読んでいただけたらうれしいです。
そこには、未知なる本との不思議な読書体験をお楽しみ下さい。