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第12回:「雨」
梅雨に入りました。雨が多くなる季節です。
朝起きて、もし雨が降っていたら、ぜひ手に取ってほしいものを選んでみました。
おうちでのんびりお楽しみください。

みずうみ

『みずうみ』
いしいしんじ
河出書房新社

<予期せぬ恩恵としての。>  選:ボンヌ店員
この小説には雨そのものの描写は出てきませんが、これを読むと「慈雨」という言葉を思い出します。それは予想もつかず現れる「水」のイメージに私たちの感情を越えた尊いものを感じるからかもしれません。外出を予定する人にとっては億劫な一方で植物に実りをもたらす恵みとしての雨。善か悪か。それはとらえる人の感情によって様々なのです。

にじ

『にじ』
さくらいじゅんじ 文
いせひでこ 絵
福音館書店

<雨上がりに試してみよう>  選:平尾店員
雨上がりの散歩で虹を見つけた男の子は、不思議でたまりません。いろいろなところからみたら、どうみえる?どんなときにでるの?わたしはこの本で虹の秘密を知りました。いせひでこさんのアクリル画は、幻想的な雰囲気で、想像力をかきたてられます。科学絵本が苦手な方にも、ぜひ手にとってほしい、雨上がりが待ち遠しくなる、楽しい1冊です。

雨はコーラがのめない

『雨はコーラがのめない』
江國香織
新潮文庫

<かけがえのないものへの想い> 選:功刀店員
不思議な題名の「雨」とは犬の名前です。著者と雨は寒い雨の日に出会って以来、寄り添うように暮らしています。この本はそんなふたりが楽しむ音楽についてのエッセイ集です。著者の暮らしに染みわたる雨と音楽への想いに触れるにつれ、かけがえのないものへのいとおしさが心にしっとりと広がります。ひとりで静かに過ごす雨の日の午後のお供に。

手で作る本

『手で作る本』
山崎曜
文化出版局

<うちで楽しむ本作り>  選:小林店員
自分で本が作れるって、知ってました?私はこの本に出会うまで、そんなこと思いもつきませんでした。でも、一折のノートからハードカバーまでいろんな本の作り方が丁寧に説明されているこの本を読むと、自分で本が作れるという可能性にワクワクしてきます。おうちにいる雨の日は、読書だけでなくこんな新しい本との付き合い方もいかがでしょう。

雨の日はソファで散歩

『雨の日はソファで散歩』
種村 季弘
筑摩書房

<散歩と読書のすすめ>  選:川上店員
自らを「徘徊老人」と称したように、晩年の種村さんはよく散歩をしていました。「雨の日は……」というより「雨の日も」散歩をします。ではどこで、もちろん「ソファで」。読書をするように散歩をし、散歩をするように読書をする種村さんの随筆は、雨の日に本を散歩する術を教えてくれます。そして雨がやむと、外へ散歩に出たくなってしまうのです。

ここち 12号

ここち 12号 5月31日発行
にて掲載されました。

毎日新聞ホームページにて内容を閲覧できます。

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