| カンフー・ハッスル(20050110mon)
チャウ・シンチーがブルース・リーにあこがれて作ったカンフー映画ということで、カンフー、香港映画は見逃せないと豪語し合う映画友達とカンフー・ハッスルを見てきました。今回はかなり内容についての話なので、これから見ようと思われている方は、この先は映画を見てからにして下さい。
前作の「少林サッカー」が香港映画史上歴代一位の興行成績という空前の大ヒットだったことから、チャウ・シンチーも来日して各ワイドショーに出演していましたし、CMもかなり頻繁に流されているので、これは相当期待されているようだけれど、「ありえねー」というコピーを前面に押し出しての宣伝はどうなのか、そしてチャウ・シンチー(周星馳)は漢字で書くと、小説家の馳星周と区別がつかないと思いつつ、映画館へ足を運びました。
来場者が少ないのは気になりましたが、結果的に作品としては前作よりずっと良かったです。「少林サッカー」はあまりに騒がれたので、後からビデオで見たのですが、正直いまいちでした。おそらく、サッカーも好きだしカンフーも好きだという人は、そうだったと思いますが、全体としてどっちつかずで中途半端、結局はCGのインパクトに頼ってるだけだなー、というのが見え透いてしまうのと、あとは微妙な人間臭い表現がいらない気がしました。それに比べれば、今作はカンフーに限定されているために、見え透き方が透明のガラス窓から半透明の磨りガラスくらいにはなっているし、ディティールも良くなっていて、ありえない設定を手放しに楽しめるシーンもありました。アクションでは、前半の古琴を奏でる刺客と棒術使いの麺打職人戦うシーンや、主人公が目覚めた後、両手両足を使わず足のすり足のみで相手をいなしていくシーンなどはなかなか。アメリカを意識しているかどうかはともかく、「復讐」は決してやってはいけないと言わせていたり、仲間は殺されていったにも関わらず、最後には悪役を殺さずに終えるとこなど、最近の風潮にも敏感で、全体として荒削りながら、フォローは細かいという印象を受けました。何より主人公の決め技はその名も、如来神掌。これがセガールだったら、素手で皆殺し、死人に口無しということで、「沈黙」させてます。
とはいえ、見た後にスタバでコーヒーを飲みながら話し始めてみると、やっぱりイマイチ感は拭えません。例えば、恋愛的な要素は挿入する必要があったのかと思われるほど、本筋とはかけ離れてしまっていてそこだけ別の話みたいですし、ヒロイン役は今回映画デビューの注目の新人だかどうだか知りませんが、ちょっとはジャッキーを見習って、ポリス・ストーリーのマギー・チャンばりにストーリーに絡ませて、アクションの一つや二つやってもらいたいものです。他にも、カンフー映画にはやっぱり修行シーンがあって、その反映が見られるアクションが欲しいとか、冒頭で大勢のエキストラを使って組長サムのすごみを表現しているのにそれが生きてこない、というか何より演じている「ブルース・リー・ジュニア」ことチャン・クオックワン(前作ではキーパー役)のキャラが立っていない、など言いたいことは山ほど。とにかく、ジャッキー全盛の頃の香港映画を彷彿とさせるようなものを作って欲しい!言いたいことはそれだけなのですが。
今回はまったくもってうだうだと言ってしまいましたが、一言でいうと、「カンフー・ハッスル」は悟空が大人になってからの「ドラゴンボール」の映画を見ているかのようでした。すでにアクションは最後の必殺技のツマでしかなく、子供だった悟空のにょいぼうやしっぽを巧みに使った独創性に満ちたアクションはどこへ、と嘆いたのと同じように、リーやジャッキーのカンフー姿に思いを馳せてしまう瞬間が多いのは否めないのでした。(川上)
カンフー・ハッスル公式サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/kungfuhustle/site/index.html
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