| スパニッシュ・アパートメント(20040706tue)
きたっ、きたきたきたー!セドリック・クラピッシュ監督やってくれました。久々に映画館で大笑い&最高に爽快な気分になって帰ってきました。『猫が行方不明』、『青春シンドローム』と今までも、うんうんと頷ける良作を作ってきていて、そのユーモア感覚と映像の雰囲気には個人的にも好感を持ってたクラピッシュ監督。ただ、前作『パリの確率』は、ジャン・ポール・ベルモンド出演、2070年のパリが出てくるSF映画、などキャッチーな期待に反してイマイチパッとせず、次どうなるのかと少しハラハラしていたのですが、今回はもう完全な復活というか、ついにクラピッシュの本領発揮!とでも言えるすばらしさ!前作のイマイチ感を埋め合わせてあまりあります。
話はまずパリから始まります。地味ーで弱っちい印象の主人公グザヴィエは、父親の紹介で面会した役所の大物に、スペイン語とスペイン経済を勉強すれば、将来性ある仕事を紹介すると言われ、あっさりスペイン留学を決定。書類申請、恋人との離別といろいろあったあげく、やっとスペインに到着します。しかし、ついてみると、宿泊先のあては外れ、しばらくは旅の途中で知り合った典型的なアホ面の精神科医とその妻の家のソファで寝泊まりすることに。そんな苦難の中、ついに見つけたのが、国籍の異なる留学生たちが共同で借りている”ごちゃまぜ”宿、つまり、スパニッシュ・アパートメント。そこから、グザヴィエと仲間たちのユーモアたっぷりでいてシリアスなリアリティーもぶら下げた、羨ましくなってしまうような共同生活が始まります。
従来の良さを生かしつつも、枠にとらわれない軽快でユーモラスな映像は退屈さを感じさせないし、奇をてらわず、素直にいいっ、と共感できる音楽を選んでいるところも全体とうまく調和しています。特に、レディオヘッドの「ノー・サプライゼス」の使い方は、つい嫉妬してしまうほどに絶妙!そして、ロマン・デュリス演じる「グザヴィエ」は、『トレイン・スポッティング』の「レントン」ことユアン・マクレガーさえ超えたかもしれないと思ってしまうほどの出来。男前なのかどうなのかの絶妙なラインを綱渡りしつつ、母性本能をくすぐるような泣き顔もできれば、ときたま落ち着きも魅せられるその表情からは、話が進むにつれてじわじわと味がでてくるのです。日本でいうと、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの妻夫木くん的魅力と言えるかもしれないその顔と演技は、とにかく21世紀的若者像を感じさせてくれます。
そう、それでもって、クラピッシュはやっぱりいいよね、とつくづく思わせてくれるのが、映画の終わり方。留学を終えてパリに戻ってからのラストシーンだって、期待を裏切らず最高に、最高に爽快!元気がなくなったときに何度でも見たい、そんな勇気を与えてくれる映画なんです。(川上)
公式ホームページ:http://www.foxjapan.com/movies/spanish/
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