| エンプティ・ガーデン2(20040515sat) 今日はワタリウムでいまやっているエンプティ・ガーデン2展に行ってまいりました。わたしは1を観てはいなくて、知っているアーティストもいなくて、ただ雑誌で観たモビールが強烈に観たかったのでした。それは、プラスチックのものや枯れ木やレースが透明の糸で高い天井からぶらさがっている外国の景色で、無機質な美術館の壁をバックにカラフルな点点がゆらゆらしている写真でした。 ワタリウムでは、そのモビールは入ってすぐ、2階と3階の吹き抜けに設置されていて、下には写真の中と同じ様に寝転がって眺めるための白いベッドがおかれていました。横には尿素の結晶を使ったショッキングピンクのインスタレーションがあって、お目当てのモビールと一緒にひとつの風景を作っていました。実際に目にしたモビールは、意外とたくさんあって、枯れ枝にプラスチックの毛虫がいたり、鬘の毛みたいのがぶらさがっていたり、造花や野菜が下がっていたり、細かく見るとすごくおもしろい素材がいっぱいで、子供のがらくたあつめみたいな集合体です。 けれど、そのおかしな素材を書き連ねることはこの作品の印象をつたえる手助けになりません。おかしなものもかわいいものも、きれいなものも無駄なものも、正しかったりあり得なかったりする方法でモビールに接着されていて、それが全体としてすごくやさしいバランスになって静かにゆれているということ、これがこの作品の素敵なところだ、と私は思いました。それで、現実の世界がこんな風なやさしいバランス、色味だったら本当に本当にいいのになあ、と強く思いました。いつまでも見ていられそうな、部屋を出て日常に戻っても自分のどこかに残っているような、そんな庭の風景でした。他にも、トーマス・フレヒトナーのスパイスガーデンのスライドショウは、心に残るものがありました。 今回は野外展示もあるということで、もらった地図に従ってワタリウムの裏側の商店街へ。玉の博物館?とかを発見しながら歩いていたら、驚くべき場所に辿り着きました。学生の時から髪を切ってもらっているお店が、思いもよらずあらわれたのです。というのは、今日のゆるい計画として、外苑前のワタリウム→青山のあたりまで散歩してのんびり→「表参道からちょっと入ったとこにある」そのサロンで髪を切る、と思っていたので、ここでいきなりサロンが出てきても、予約の時間にはまだ余裕があるし、まったくの計画外。サロンは、マクドナルドの角を曲がってナディフの裏、とんかつまい泉やロータスのある「まい泉通り」にあるのですが、実はキラー通りからもすぐのところだった!と驚いて、じゃあなぜつながっていないと思っていたかというと、@「まい泉通りは青山通りと平行」、A「南青山三丁目交差点→ワタリウムは、表参道交差点→マクドナルドの距離の2倍くらい」という前提があったからです。 ああびっくりした、4年も同じ場所に通いつつ知らないことってまだあるものね、と動揺を抑えながら、小一時間をつぶすべく246沿いでコーヒーでものもう、と適当に縦の道に入りました。すると、さっきの動揺に追い討ちをかけるように、またしても異次元空間に遭遇。1棟20戸、4階建て程度の、お世辞にもきれいとはいえない(失礼!)集合住宅が視界に入るだけで10棟くらい、住民のひとの趣味なのでしょう、土のあるところには植物が植えられ、建物の1階と地面は草や花で一体化しているようなところもあるくらいで、真ん中の広場には車で来てお店を広げている八百屋さん、子供(幼稚園から高校生まで幅広く)、猫、おばあさんがいて。敷地内には保育園や児童館もある、一大生活空間、大団地があったのです。 都心一等地の裏側に、こんな空の広い場所があるなんて?高級賃貸住宅花ざかりの青山に、こんなに暮らしの場があったなんて?丁度おばさんが草むしりかなにかをしていた庭の風景が、その経年的な丹精、根付いた生活みたいなものを感じさせました。そういえば同潤会アパートも中庭があったし、青山通りのまわりも古くてある意味心地の良さそうな公団のマンションがいっぱいあります。青山のあたりと戦後住宅開発について、調べてみてもおもしろそうだなあ、なんて思いながら、今日はどうやら庭に縁があった一日のようでした。(山田)
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