どん底(20040223mon)

 三寒四温。そろそろ暖かさの気配を感じる季節です。…と同時にマスクをかける人を多く見かけるようにもなりました。始め何故最近になってマスク人をよく見かけるのか原因が分からず、今になって風邪が流行っているのか、しかもそんなまでして働く日本のサラリーマンはやはり勤勉なのだ。さすがプロジェクトなんとか、など様々に思考を巡らせていました。と、まぁこんな悠長なことを言っていられるのも、自分が花粉症に悩まされていないからなのでありますが、そういえば去年少しその兆候が見られたことを思い出し、少しびくびくしています。
 さて、焦げ茶色の木の看板に赤いどでかい文字で「どん底」って書いてあれば、たいていの人は気になります。しかもギザギザにひび割れた様な、破れ果てた様な、そんな文字面で訴えられたら、もう、有無を言わさずという感じでしょうか。もちろん私もその一人で、有無を言わずに友人とそこへ入りました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「どん底」は新宿に半世紀以上もある飲み屋で、ロシア人作家ゴーリキーの作品「どん底」に由来しています。昔は「唄声喫茶」ならぬ「唄声居酒屋」で、生のアコーディオンを伴奏に客がみんなで歌を歌っていたそうです。カラオケが普及したいまでは全く想像もつかない世界ですね。自分はカラオケが好きでないので、むしろ唄声喫茶とか行ってみたかった。実に楽しげではないですか。そして半分酔っぱらってるんじゃないかと思われるマスターが、これまた焦げ茶色の古い歌集を見せてくれて、そこには三島由紀夫、美輪明宏、富士真奈美…といった名前が。うーん、ますます良いです。(小沢)
【どん底】一番下の底。どんづまり。「--の生活」(広辞苑第一版より)
一番「下」の「底」ってつまり、一番下の下、底の底。「どん底」に行って、結果的に自分がどん底に落ちてしまったわけなのですが、その話はまたいつか…。


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