20031117(月) 自動食道扉

 東京の「へそ」に住んでいる私は、とにかく電車によく乗ります。というよりむしろ、電車に乗らないと陰者のような生活になってしまうので、必然的に乗る羽目になる、と言った方が良いのかも。

 ところでまぁ、今日も電車に乗ったわけですが、久々に都電荒川線というローカルなやつに乗りました。早稲田から、途中大塚や王子を通って三ノ輪橋まで1時間弱、どこまで乗っても160円のやつです。発車する時の「チンチン」という音と、運転手によって微妙に違う車内放送がなんとも言えないやつです。もちろん緑色の長い座席の、中央に座ります。となりに座ったゲルマン系外国人の美しい横顔が気になりつつ、でもあからさまに横も向けないので、取りあえず目の前のドアの向こうを眺めます。 自動食道扉…。 じどうしょくどうとびら…。 電車の自動ドアに印字してある「自動扉」の向こうにどこかの診療所の案内があって、「食道」の文字がそれに重なって、ちょうど「自動食道扉」って読めたんですねー。くだらなくって申し訳ない。ほんとそれだけなんですけど、それにいたく感心してしまったというか、この状況で「自動食道扉」って読んだ自分に感動したというか。きっと日本中でこれを読んだのは自分だけだ!とか思ってしまったんですね。そこでまぁ、妄想が始まるわけです。一体、自動食道扉ってのは、どんなものか。ごくごく素直に考えれば、人が意識して飲み込む食べ物を、自動的に制御して口から胃に運んでくれる装置とか。口の中で食べ物を感知して、十分噛んで、味わったころに、ウィーンって扉が開いて、食べ物が落ちていく。でも、そうするとそれが故障してしまったら直すまで食事ができないのか、そんなのは困る。いや、まてよ、でも、それを自然にやってのける人体ってのがそもそも素晴らしいのか…。そこで無理矢理ゴクンと唾液を飲み込んで、食道の動き確認してみたりして、やっぱこの滑らかな動きは機械には無理だよな、とか。電車に乗る間、妄想は続くのですが、幸いにして電車には終わりというものがあるので、そこで妄想もストップ。木枯らし一号が吹きすさぶ中、ぱりぱりと葉っぱを踏んで、大学に向かうのでした。(小沢)

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