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ヒンドゥー五千回(20031013mon)
朝モソモソと起きて外に出たら、十月中旬とは思えない暑さ。見上げればカンカンの太陽。今年はまともな夏がなかったけれどこのままじゃ秋までなくなるんじゃないか、などと思いながら歩きます。電車で阿佐ヶ谷に向かい、スタバで川上君とミーティング。その後航海屋のラーメンを食べて出る頃には、気でも違ったのかっていうくらいの大雨。普段テレビを見ないため天気予報もろくに知らない僕は、当然傘など持っていません。とりあえずそのまま、影絵UMIRAの東海さん、温ちゃん、池キョンと合流。みんなで見に行くのは、ヒンドゥー五千回という劇団の第十回本公演「渋柿の行方」。同じくメンバーの鈴木さんとえにょさんが、客演で出ているからです。阿佐ヶ谷駅からラピュタビルまで道程は、ほんの二分にしてまるで最上川。その「集めて早し」な豪雨っぷりといったら、地下の劇場で靴下を乾かしている人がいるほどです。
ヒンドゥー五千回は構成・演出の扇田拓也さんを中心に活動する劇団で、1996年に結成。後から聞いた話によると恒例なんだそうですが、会場に入ると何故かレディオヘッドが流れています。つまり僕は彼らの作品を見るのは初めてでした。事前に「ハートウォーミング系」「家族愛」などのキーワードを与えられていたため、直球勝負かと思い身構えます。暗転しながら大きくなっていくヴォリュームにラムザ阿佐ヶ谷の音響のよさを感じながら、目の前に見えてきたのは柿。狂ったお祖父ちゃんお祖母ちゃんと、その家族が過ごす時間の始まり。本当に狂っているのは、誰なのかということ。そのバランスの取れたキャラクター設定に思わず時間を忘れ、気づけば2時間。思っていたより直球ではなくきちんとひねりも利いていて、ところどころで笑わせてくれる好作品でした。ヒンドゥー五千回、これからも気になる劇団です。
帰りがけにみんなでお茶。こうして知り合いの演劇を観に行くと大抵、凄くレベルが高いなぁと感じます。そのたびになんらかの感動を持ち帰れてしまうのです。こういう劇団というのは、いったい日本中にいくつあるんだろう。ただ単に僕の見たものがたまたまレベルが高かっただけなのかもしれません。たくさん観ている人にとっては歴然としたレベルの差があるのかもしれません。ただ、少なくとも僕がこうして素晴らしいと思った作品はせいぜい数百人とかの目にしか触れないままで、そして彼らはまた新しい作品に向けて「昼間は働いて、夜は稽古に励む」というハードで不安定な生活を送っていかなければならないのでしょう。この現実はなんとかならないのかな?きっとなんともならないだろうということも分かっています。ただやっぱりつい口にこぼしてしまう、そんないつもの話をしながら、雨上がりの阿佐ヶ谷に日が暮れるのでした。(内沼)
ヒンドゥー五千回:http://www.h5000.com
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