8 | 空の明るみには美しい小さな雲の峰が回転していた。対照的に街路は焼跡のようであった。煙突は天に向かいへばってあえぎながらつっ立っている。歩道が交差している芝生には、冬じゅうたまった枯枝やマッチ箱、吸いがらや犬の糞やら石くずが、これ見よがしにちらかっている。錬鉄製のふち飾りがついた柵のうしろの芝生はまだ黄ばんだままだが、太陽が冬の追跡を振り切らせて、すでに鮮かに緑をよみがえらせた所も多くある。(P229)
K00831/宙ぶらりんの男/ソール・ベロー(著)繁尾久(訳)/角川文庫/1972/初/sold |
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