17 | それでも無事に横断歩道を渡りきったぼくは、また右に折れて歩き出し、そしてふと旭屋の軒先からぶら下がっている「本」というネオンに気づいてなんということもなしに扉を引いて店の中へ入った。でも、入って山のように積まれ並べられた本を眺めたとたんにぼくを襲ったのは、或る吐き気のような不快感だった。一体なんのためにこんなに本があるのだろう。ぼくはどこかで、いまや世界の全情報量は十年で二倍に幾何級数的に増えていくという話があったのを思い出した。
U00126/赤頭巾ちゃん気をつけて/庄司薫/中央公論社/1969/12刷/C/800 |
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