第一回 本日のお題:酒の肴



鱈の白子蒸し  □ ささみのたたき  □ 温野菜のサラダ・胡麻マヨディップ   □ 鱈ちり
最後に一言

お客さんのひとりが日本酒を持ってきて下さるという話を耳にして、また、パーティは午後2時から8時くらいまでで間にワークショップをはさむので、きちんと食べる、というより話の間につまめるおいしいものを作りましょう。ということで、今日のテーマは酒の肴です。
先生は、まず、小説家・檀一雄氏。自分でつくるもの、旅先でのおいしいものをさらりと記したエッセイから、鱈の白子蒸しを伝授いただきました。それから、サラダは自由だ!という河野友美氏に捧げる冬の温野菜サラダ、胡麻マヨソース。胡麻マヨソースは同じく河野氏の胡麻礼賛本からヒント。また、有名料理人神田川俊郎先生からはささみのたたき、アボカドサラダを。このふたつは酒の肴でありサラダでもあり。あとは寒い中来てもらうみんなに、スープ代わりに鱈ちりを。これも先生は檀氏。
いつもは国籍不明の煮込み料理なんかを出しているので、こういう和食のラインナップは初めて。日本酒をちびちび飲みつつ、話があたたかくなることを願いつつ、割烹着着用気分でお料理です。


鱈の白子蒸し
煮つけかチリにもおいしいかもしれないが、今日は酒のサカナらしく、少しばかり高級にゆこう。二百グラムの白子をさっと水洗いしてドンブリに入れ、ニンニク、ショウガをおろしこんで、食塩をちょっと入れる。その上に、根深のネギを一、二本縦割りにして並べ、もったいないような気もするが、お酒を少々ふりかける。さて、そのまま三、四十分蒸し器に入れて蒸しあげれば、真っ白に仕立て上がった極上の酒のサカナができ上がるだろう。
K00231
わが百味真髄
檀一雄
講談社 / 年 / 初
 購入方法  B / 1000



白子って、一寸良いお店で食べるもの、というイメージがあります。日本酒と一緒に、突き出し的にそそと出てきます。自ら白子を買うのは初めて、従って、白子を触るのも初めて。こわごわ流水にさらしながらなでてみると、もろいものかと思いきや、意外と弾力があって、ぷにぷにしている。調子に乗って多少流しまう。あぁ、数十匹の鱈たち。ごめんなさい。
檀氏のエッセイには分量の表記は一切ないので、酒飲みのために薬味を効かせたく、しょうがとにんにくの刻んだのをたっぷり。塩と日本酒を少々和え、器にいれてしゅんしゅん湯気をあげる蒸し器にセット。いちばんうえに5cm長に切ったねぎをのせて、30分。
想像以上に汁気があって、一瞬どっきりしたけれど、このスープ自体、非常においしい。異様なエネルギーのこもった味です。淡白なんだけど濃い、強い味。白子を眺めていたら、阿部公房の「砂の女」のワンシーンを思い出した。蜜柑色の流れ星。生命の行列。卵をまとめて食べてるって、すごいことだな。エネルギー元の鱈に感謝。


ささみのたたき
1.ささみは筋をとって酒とうす塩をし、5分置いて熱湯にくぐらす。
2.大根はおろして軽く水を切る。かいわれ菜は1センチに切り、香味野菜とともによく混ぜ合す。
3.1のささみをひと口大に切って2と合せ、ゆがいた花人参を散らし、ポン酢を添える。好みで一味唐辛子をくわえてもよい。

U00551
料理道場入門 酒の肴
神田川俊郎
保育社カラーブックス / 1981 年 / 初
 購入方法  B / 800



こちらも薬味たっぷりの、お酒がすすみそうなおつまみ。ささみを切らずに熱湯で茹でます。半生で食べたいところだけど、今日は生食用をゲットできなかったので、一応しっかり火を通します。自然にさまし、食べやすくカット。鶏が見えなくなるくらいたっぷりねぎとしょうがをのせて貝割菜を散らし、大根おろしを添え、ポン酢をまわしかけて、できあがり。すごくさっぱりしていて、ぱくぱく食べられます。


温野菜のサラダ・胡麻マヨディップ
サラダが家庭料理の中で旧蔵しています。若い女性が好きなのもサラダ。美容に、栄養にとサラダ賛歌が盛んです。。。ゴマをドレッシングに使うと、こくのある薫り高いドレッシングになります。それは、近年味が落ちたといわれる野菜類の風味もよくする効果があります。
U00575
健康食百科 6冊揃
(胡麻種実食・しょうゆクッキング・パンの手帖・野菜のすすめ・玄米食のすすめ・背の青い魚)

河野友美・山口米子・大滝緑
保育社カラーブックス / 1982-1985 年 / 初
 購入方法  B / 2800



お酒を飲むと野菜が食べたくなる、といったのは江國香織「きらきらひかる」のアル中妻・笑子さん。生野菜のスティックサラダを兎よろしくつまむのもいいけれど、寒い冬は温野菜にしましょう。

パプリカは縦8等分にカット。ブロッコリーは小房に分けます。オクラは塩をつけてまな板の上でゴロゴロ板ずり(トゲトゲをとるため)。芽きゃべつは洗ってそのまま。こちらも湯気のたつ蒸し器に入れて、それぞれ5分くらいずつ、芯まで蒸しあげます。蒸篭のふたを開けると、生よりぐんと鮮やかな色をしていて、思わず歓声。
胡麻は中火のフライパンで、いい匂いがするまで炒って、すり鉢で粒々が残るくらいにあたります。大葉は細かく刻んで、マヨネーズに胡麻と大葉を合わせて、ほんの一寸しょうゆで味付けします。
黒か白のお皿に盛ると、色が映えてすごく素敵です。手でつまんで、ディップをつけつつたくさんどうぞ。


鱈ちり
さて、モノグサ亭主の、その細君も、亭主が「タラ」を買ってくると宣言した日ぐらい、髪をくしけずること入念に、お化粧は早めにすましておいて手を洗い、もしまだ買ってなかったら、少し大きめの土鍋を一つぐらい、ヘソクリをはたいて、用意しておきなさい。。。酒を二本でも、添えたりしたら、亭主はにわかに感奮興起して、毎週でも、タラを買って帰るような変異がおこらないともかぎらない。 K00199
わが百味真髄
檀一雄
講談社 / 年 / 初
 購入方法
  B / 1500 1200



檀氏は「タラチリをタラフク」というけれど、今日はスープ代わりです。
今日の料理の初めから昆布を水張った鍋にいれておいて、しっかり出汁をとります。火にかけて、昆布をとりだし、日本酒、しょうゆ、塩でごく薄く味をつけておきます。材料は食べやすく美しく切って、いつもよりきれいに並べてみたり。お客さんが集まったら、火の通りにくいしらたきから鍋に入れ、鱈、白菜の芯にちかい部分、豆腐、ねぎ・・・と放り込み、火が通ったらできあがり。
おしょうゆとレモン、もしくはポン酢を足して、もしくはもみじおろしを足してそれぞれの味でいただきます。


■ 最後に一言
集まった酒飲みたちには、特に白子が人気でした。ささみのたたきは、冬には少し寒々しかったかな。でもおいしいと評判いただき、うれしいです。
胡麻マヨディップは、唐辛子を足して辛くしてもおいしそう。あるいは味噌やアボカドを足したり、いろんなディップをたくさん揃えたら、カラフルでかわいいだろうな。
鱈ちりは文句なし。一寸贅沢で、あったかくて、よかったです。
多少勝手にアレンジしてしまいましたが、今日の先生たちは本物。先生たち、ありがとうございました。 (ヤマダ)