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絵のない絵本


これまで長い文で長い本を紹介してきたので、
今日は短い文で短い本をご紹介したいと思います

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの『絵のない絵本』です

色んなところから出ていますが、今日は新潮文庫のをオススメします
『夏の百冊』にも選ばれているし、表紙イラストは人気イラストレーターのスドウピウさんなんですヨ!

貧しい絵描きに 月が ひと晩にひとつずつ
お話しをしてくれます
夜毎 世界中をめぐって見下ろした 地上の 
幻想的な話し、悲愴な話し、愉快な話し

読んでいると、
小さな香水瓶や 古い切手や 玩具箱の玩具や
そんなものが集まっているような気持ちになります

眠る前にちょっとずつ読むのがオススメです!

私の特に印象に残っているのは
道化の恋
中国の若い恋人
フランスの玉座で死んだ少年
の話しでしょうか。

なぜ題名を『絵のない絵本』というのかちょっと考えてみますと
アンデルセンは言葉だけで美しいものを書いてみせました。
しかし、読み手のわたしたちの心に浮かぶのは美しい情景、わたしたちは読みながらそれらを目に浮かべるのです

そんな想像を楽しむ本だから『絵のない絵本』というのだと思います

アンデルセンは
昔話的手法を用いて 独自の童話を書いたことで知られています
例えば昔話的手法というのは
「3人兄弟がいたら、必ず2人のお兄さんは意地悪く失敗し、末っ子が幸運をつかむ」
というような物語の型のことです。

『絵のない絵本』は
どちらかというと
『即興詩人』のような、世界の美しい情景を切り取るスケッチのような、詩美のようなものを感じる話しです

ぜひぜひ本屋さんで手にとってみてください◎

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2007年07月18日 00:43に投稿されたエントリーのページです。

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